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平成28年度滋賀県市長会県外研修(富山市役所)

13時30分から富山市役所で滋賀県市長会の県外研修が行われました。

出席市長は、近江八幡市、野洲市、長浜市、湖南市、守山市、栗東市、東近江市、米原市の8人でした。

スマフォでチネチネと記録メモを作りましたので、雰囲気をお楽しみください。

最初に森富山市長から歓迎のあいさつがありました。

《後ほど担当部長から説明させるが、平成14年1月に市長になり、人口減少が課題となることから、庁内で14〜15人でプロジェクトチームを作った。

社人研の試算では全国で3000万人が減るがこれは平均に減らず、東京以外はもっと減るはずだった。

手を打たないといけないと考えた。

気がつくと富山市は交通結節点が富山駅一極だ。

そこで、車がなくても生活できるまちをつくろう、そして健康寿命を伸ばす。

これが遠回りだが若い人の負担が減るまちになる。

富山は産業構造はしっかりしている。

若い人をフォーミングするために、遠回りになるが交通政策から行こうとした。

お気づきだと思うが市役所に駐車場がない。

車の所有は福井、富山の順に全国でと高いが、車に依存しないまちづくりを始めた。

今になって市民も理解してくれるようになった。

土地の路線価格が上がった。

不動産を客体とした税の下落が止まった。

中心市街地は昨年数十年ぶりに人口増となり、中心部は小学生も増えている。

すなわち子育て世代が増えている。

人口が減る基調は避けられないが、減少をマイルドにしてソフトランディングしたい。

市民にとってシビックプライドを持てる。

富山は金沢と競争しない。

金沢とはツインシティなので金沢にあるものはいらない。

観光は金沢だが富山の産業は大きい。

金沢と補完関係にある。

たとえば能登を富山が支えるというかたちだ。

ロックフェラー財団からレジリエントシティに選ばれた。

今後は世界銀行のパートナーシティとしていろいろと話があるだろう。

小水力発電でバリやスマトラ、フィリピンで商談がある》。

次に滋賀県市長会長の冨士谷近江八幡市長からお礼のあいさつがありました。

《われわれ基礎自治体は生き残りをかけた行政を司っている。

一億総活躍に取り組んでいる。

われわれも良い意味で地域間競争をしている。

待機児童解消、福祉、医療、環境、防災、空き家対策も直面しており、財源確保も課題だ。

厳しい状況の中で富山市の進めるコンパクトなまちづくりを大いに勉強したい。

併せて北陸新幹線開業1年で新たな課題にも対応しているのではないか。

滋賀県市長会は北陸新幹線に特に関心が高い。

敦賀大阪間のルートがこの秋に決まる。

富山は米原ルートを推奨していると聞くが滋賀県も滋賀県市長会もその方向で進めているのでお力添えをお願いしたい。

富山金沢が北陸の中心だが金沢は京都、また名古屋都のつながりからは米原ルートをご支援いただきたい》。

ここで森市長は退出しました。

次に、都市整備部長から『公共交通を軸としたコンパクトなまちづくり』と題して説明がありました。

《公共交通を軸としたまちづくりをご説明するが、冒頭に市長が全て話してしまった。

数字も混じえておさらいしたい。

【富山市の概要】 富山市の人口は富山県全体の4割で42万人だが、面積は県庁所在地では静岡市に次いで広い。

市の形状としては立山連峰以外は真っ平らな地形で、戦災を受けたあと、どんどん道路が郊外に伸びて、道路整備率が全国一となった。

富山の水道水はモンドセレクションで5年連続金賞、3年連続で最高金賞している。

残念ながら観光は富山市内にない。

しかし、働く場、産業はしっかりしている。

工業出荷率は北陸一。

遊ぶところがないのでお金がたまり、車を買って郊外に家を買う。

しかし、これでよいのかということで課題を整理した。

①人口減少と超高齢社会、②過度な自動車依存による公共交通の衰退、③中心市街地の魅力喪失、④市街地が郊外に伸びると効率が悪くなり割高になる。

⑤二酸化炭素も増える。

⑥合併7市町村の類似施設もある。

⑦高度成長期の道路や橋梁が一気に老朽化している。

⑧最後に平均寿命と健康寿命のさを小さくすることで介護費用も減り、本人も家族もよくなる。

【コンパクトなまちづくり】 そのため、公共交通を中心としたコンパクトなまちづくりをすることとした。

まず、富山市は街の構造が富山駅中心で、環状線はひとつもなかった。

そこで鉄軌道をはじめとする公共交通を富山駅で乗り換えできるようにネットワークをつなげ、駅やバス停の周りに都市機能を集積させることで住宅を誘導する。

それによりこれ以上の都市の拡散を防ぐこととした。

公共交通はこれまで民間主体だったが、まちづくりに必要なものは市が取り組むとした。

JRの線路を買い取ってライトレールを作り、駅の周辺への居住促進、中心市街地活性化を進めることで、2005年に中心市街地居住人口は28%だったものが、2015年には32.5%となり、今後これを2025年に42%に上げようとしている。

居住を強制せずまちに魅力を作って誘導していくことにした。

【公共交通の活性化】 公共交通活性化計画の基本方針としては、幹線公共交通の整備を軸として、郊外では生活交通を確保するとした。

①公営コミュニティバスの効率的な運行、②地域自主運行バスの導入支援、③生活バス路線(民間赤字路線)の維持、④福祉有償運送や過疎地有償運送の活用を図ることとした。

LRTネットワークの形成により、過度に車に依存したライフスタイルを見直し、歩いて暮らせるまちの実現を目指している。

大正2年から運行していた富山地方鉄道を活用し、それに富山ライトレールを7.6キロを加えた。

市内電車を整備し、これから新幹線に加えて並行在来線を高架化して、高架下で駅の南北をつなげていくプロジェクトを進めている。

また、民間路線に路面電車を乗り入れる構想も立てている。

富山ライトレールは、利用者減少のJR富山港線を平成18年に公設民営で日本初の本格的LRTとした。

もともと鉄道部分6.5キロは鉄道としているので時速60キロで走り、路面軌道区間1.1キロは時速40キロで走るが、列車運行本数の増便、始発・終電の改善など運行サービスを向上させ、ICカード乗車券を採用するなど、利便性は格段に良くなった。

また、トータルデザインを重視し、車両、電停、ICカード、制服などシンボルデザインを統一している。

また、広告を排除して美しくした。

そのことで、市民が車をうらやましがらないようにするとともに、車両の底床化と電停のバリアフリー化を進めた。

開業前と比較して、利用客は平日で2.1倍、休日で3.4倍となった。

沿線人口は減っているので、より効果が出ていることがわかる。

モータリゼーションとの競争の時代は過ぎた。

増えたのは日中の9時〜5時で、年代は高齢者が多い。

高齢者が外出することで健康になり、医療費が減る。

ライトレールは、行動を変化させたかという問いに半分以上の人が変化したと答えている。

他人との関わり合いが変わったと答えたのが3割。

70歳以上で1割が知り合い・知人が増えたと答えており、ライトレールはソーシャル・キャピタル、地域の絆を増やした。

市内電車の環状線化を平成21年に完成した。

これは都心部を走るが、ライトレールよりさらにデザインに気を遣い、富山都心の魅力を楽しむLRTのある新しい風景づくりを基本コンセプトに、軌道区間、歩道区間をすべて石畳化したトランジットモール的景観となっている。

環状線で外出機会が増えた人が多い。

環状線でグルグル回っているので買い物、飲食が便利になった。

飲食店での酒類販売が増えている。

市内電車環状線が引っ越しのきっかけになったと1割が回答している。

LRTはモビリティ、移動手段の改善が目的だったが、都市格の向上、健康づくり、シビックプライド向上、市外からの転入と良い循環につながっている。

また、新幹線で富山駅に降りると駅前でそのままLRTに乗れるようにしている。

現在も工事中で、在来線も効果にして南北をLRTでつなぐ。

LRTだけでは市民の理解を得られない。

そこで市全域を公共交通化しようとしている。

JR高山線の活性化として、増発運行の社会実験を平成18年から5年間で1億5千万円かけて実施した。

効果のあった朝便を市が負担して増便している。

3千万円かかるが1千万の増収があるので2千万円で増便しているかたちだ。

今度は富山地方鉄道が、われわれも朝夕の増便ができると社会実験に取り組んでおり、まさにJRの社会実験の結果が波及している。

バス路線は、一度に全部を対応できないので、イメージリーダー路線にイメージアップ車両を導入している。

デザイン重視の広告なし、底床バス、併せてバス停上屋の整備をしている。

郊外中山間地域はコミュニティバスだが、中心部は市がバスで対応しないと宣言している。

そこで地域が自主運行するならバス車両と運行経費の半分を負担している。

自主運行バスは2ルートあり、年間2千万円かかっている。

うち1千万円は市の補助で運賃収入は200万円7000世帯が420円ずつ負担し、プラス企業協賛を得て運行している。

地元では運行会社をつくり、バス会社に運行委託している。

バスは市が無料貸与している。

中山間地の生活交通は市が直営でコミュニティバスなどを運行している。

富山市の公共交通には8億4千万円かけており、これは一般会計の0.5%、政策的経費の1.1%にあたる。

【公共交通沿線への居住推進】 居住地の誘導は、公共交通の便利化、駅周辺にサービスを集める。

まちなかの居住推進にはデベロッパーに支援し、居住する市民にも助成している。

アパートや宅地造成、分譲マンションが供給されたところは確実に人口が増える。

富山県外から富山市の都心で住宅購入したら助成したり、新幹線で通学の推進事業もしている。

金沢の大学に行くとそのまま金沢に住むのでそうならないように助成している。

【中心市街地の活性化等】 中心市街地活性化が必要だということで、これは税の還流からも合理的だ。

富山市の税収の根幹が固定資産税と都市計画税であり、どうやって地価を維持するか。

全市的に対応をすると効率が悪い。

中心市街地0.4%の土地に対して施策を集中することで22.4%の税を生み出しており、これが中山間地域の施策に回っている。

公共交通の利便性向上、賑わい創出、質の高いライフスタイルをつくるということとしている。

賑わい拠点としては、中心市街地の道路敷を集めて道路認定を外し、全天候型の多目的広場にした。

これまでは中心市街地にはデパートしかなかったが、今はここに行けば何かができるということで、コンサートや蚤の市などに使われている。

また、高齢者が1000円でお出かけ定期券を買うと、公共交通利用料金を割り引く制度を作ったので、郊外の高齢者が中心市街地でお買い物をしてもらうようになった。

公共交通に乗ると元気になる。

お出かけ定期券を使わなかった日は6600歩しか歩かないが、使うと8440歩を歩く。

お出かけ定期券は運賃との差額が1億円だが、医療費削減効果も1億1千万円あるのでペイしている。

お出かけ定期券を利用したという心理効果があるので、事業者への補助には上限設定している。

また、まちなかのスーパーが撤退したので行政が地場もん屋を作り、市民に野菜の持ち込みをしてもらっているが、朝10時には売り切れる。

さらに、民間のレンタサイクルもある。

ヨーロッパのような会員制のレンタサイクルで、24時間365日、月額400〜500円の会費で、300メートルおきに置いてある自転車を借りられる。

平成20年度に環境モデル都市となり、初期投資は2億円で、バス停の広告収入を会費で運営に回している。

まちなかは景観をよくするためハンギングバスケットやバナーフラッグなどで飾っている。

また、沿線の花屋で買った花束を持って乗るともらった運賃無料券が使えるが、街を華やかにするための取り組み。

高齢者支援と地域コミュニティ活性化のために高齢者が孫と一緒の外出をした場合、博物館などの入園料を全額減免するようにしている。

周辺部の小学校跡地は、介護にならないための予防施設を富山市が整備した。

温泉を掘り負荷のかからない運動を進めている。

都市部の街区公園は管理されにくくなっているが、地域の町内会にお願いして野菜を作ってもらっている。

都市公園を20平米上限で芋などを作ってもらっている。

市は鍬や鎌、蒸し器などを無料で貸し出している。

地域包括ケア拠点施設も整備している。

【北陸新幹線開業の効果と並行在来線の課題】 新幹線の波及効果は421億円で、うち観光では154億円、49.4万人増加した。

富山はあまり観光がないので、コンベンションが最大の成果だ。

会議に来た人をどう富山に泊ってもらうか。

新幹線により市内電車、鉄道、バスは現金客が増えている。

また、定期利用者も増えているが、公共交通が目についたPR効果だ。

並行在来線「あいの風とやま鉄道」

は98.7キロで19駅ある。

それ以外に今のところJRからは枝線の廃止の声はない。

並行在来線は特急がなくなったため収支が悪化し、今までの運賃体系では赤字になるので運賃を1.25倍に引き上げた。

それでも赤字なので経営安定基金を積み上げている。

初期投資は県が出資している。

経営安定化基金は取り崩すとしていたが黒字だったので取り崩さなかった。

沿線自治体は10年かけて積み上げていく。

【コンパクトなまちづくりの効果等】 わずか10年の取り組みだが、すごい勢いで再開発が行われている。

再開発のあとは歩行者が増えている。

空き店舗も減っており、地価も上がっている。

都心部の社会増減は転入超過。

昨年は初めて50年ぶりに人口が増えた。

国際的評価も高まっている。

これらの情報をPDCAを回して市民に返す。

GISに市民一人ひとりの住民基本台帳情報をプロットしており、そこに道路や病院などを重ねるとミクロな視点で対応できる。

高齢者分布はひと目で見えるようになった。

施策と重ねると妥当性が検証できる。

さらにGPS付きの歩数計を高齢者に持たせて、動きを調べたい。

都市政策だけでまちづくりは語れない。

各部署が合わさってコンパクトシティを議論している。

タスクフォースがどんどん増えてきてきている》。

その後、質疑応答を経て、LRTに乗車して全天候型多目的広場と富山駅を視察し、16時に初日の視察研修を終えました。

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