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第1回湖南市市民農業塾

13時30分から湖南市西峰町のサンヒルズ甲西で開かれた平成28年度第1回湖南市市民農業塾に主催者として出席しました。

湖南市では今秋に国道一号バイパス横のイオンタウン湖南内に農産物の直販施設をオープンさせる予定で、その施設に出品される農作物をつくってもらう市民を増やしていくために市民農業塾を始めました。

湖南市はほぼ水稲作が中心であり、園芸や果樹など高付加価値農業でないことと、今後の後継者不足なども考えられるため、新しい農業者の掘り起こしと新規参入を目指しています。

最初に市長から『今朝の新聞で報道されたが市民産業交流促進施設を『ここぴあ』と名付けた』という紹介を含め趣旨説明を兼ねたあいさつを行い、続いて湖南市と包括的連携協定を結んでいる甲賀農業協同組合の組合長からも熱い意気込みを表したあいさつがありました。

次に『モクモクの取組みと地域活性化』と題して株式会社伊賀の里モクモク手づくりファームの木村修会長から講演がありました。

いつものようにスマフォでチネチネとメモをしました。

速報性を重視して少し不正確かもしれませんが雰囲気をお楽しみください。

《国は地域創生というが、地域には農林水産業しかない。

元気になるためには仕掛けをしていかなければ元気にならない。

海外へ展開しようということで6次産業化というが、農業は成長産業なのだろうか。

6次産業化ばかりが農業ではない。

北海道ではアスパラという単一品種だけで農業が成り立つ。

しかし、同じものが本州で成り立つかといえば土地が狭くて成り立たない。

そこで、若い人がこれから頑張ろうとすれば、ひとつが6次産業化だ。

畜産でソフトクリームをつくるとかとなる。

もうひとつは付加価値をつける。

例えばドラゴンフルーツなど果樹は付加価値が高い。

メロンも良い農家のものは1個2万円もする。

ブランド化することが大事だ。

市長のあいさつにもあったが湖南市で計画している『みらい公園湖南』は集客力がある。

イオンタウンという商業施設の横にあり、人が集まる。

そこで、鮮度が違う、スーパーにないものが売っているとなると、市民の行動形態が変わってくる。

イオンが人を集めて、その横で金魚の糞商売ができる。

消費者は選択するので、売上規模が大きくなる。

広い売り場に、イオンに置いていないものを置くと、匂いが違う、味が違う。

『ここぴあ』は地域活性化の動機づけになる。

農家が作ったものが売れる。

面積が大きいほど集客は増えるが、大事なのは買いたいものが置けるかだ。

タキイさんのいう健康、機能性野菜がキーワードだ。

健康でありたい、ピンピンコロリ。

健康・機能性野菜を中心とした直売所となると面白い。

『ここぴあ』には機能性野菜がズラーッと並ぶ。

これをキーワードに中心にすれば、お客さんのニーズに応えられる強い売り場となる。

湖南市にはタキイさんもある。

他とは違う方向性のコンセプトで揃えればよい。

知恵を出す。

金がなければ知恵があるだろう。

一番ダメなのは思考停止。

そこからはなんの革新も出てこない。

思考の停滞を起こさないことが農業の挑戦であり、面白いことができる。

農協も市長も力を入れている。

さあ、地域の人たちが健康となる農産物を作りましょう。

グリーンファームは味噌に特化して尖ったほうが良い。

学校給食を全部食べている地域はない。

手前味噌だ。

こういう味噌づくりをしているのは全国でここしかないと思う。

市民目線で味噌の価値を高めていく。

ひとつの知恵の方向だ。

その土地ならではのいろんなストーリーをつくる。

資源を磨ききれていない。

いろんなアドバイスをしていきたい。

三重からうちの職員もたくさん来ている。

新しい農業を作っていきましょう。

私は元農協の職員だった。

三重県経済連で最後は豚の販売を担当した。

四日市食肉センター、と殺場で豚を肉にして肉屋やスーパーに買ってもらっていた。

そうしていると、ドンドンとある業界の組織が大きくなってきた。

流通革命の名のもとに価格破壊をした。

より安く仕入れ、より安く販売した。

そう、スーパーマーケットだ。

そこに豚肉をドンドン買い取ってもらった。

どこのスーパーに売るか。

三重県ではイオン、そのときはジャスコだった。

今の社長は同級生だ。

岡田屋という地方スーパーをジャスコにして、連帯から合併、吸収して全国一のスーパーとなった。

当時、名古屋のジャスコの本社に行くと、全国から畜産業者がすごく集まっている。

ズラーッと並んで順番に商談室に入る。

出てくる人は誰一人にこやかでなく青い顔をして出てくる。

隣の人に聞くと畜産王国鹿児島県の人。

その隣は名古屋の商社。

産地間競争となる。

商談になるとそこにバイヤーがいる。

大学出てすぐの人だったが、今のダイエーの社長だ。

相談は口頭では受けない。

カードに書いて提出する。

複写カーボン用紙は1枚100円で買わされる。

バイヤーは開口一番、『三重県経済連はこんな値段で買えというのか、二度と来なくて良い』と突き放される。

無条件降伏だ。

巨大産地鹿児島県と価格を合わせられる。

ものすごく安い。

了解して帰ってきた。

その後も何回やっても負ける。

あるとき、ジャスコのバイヤーが名古屋から三重県経済連に来て、同僚にものを売ってほしいと頭を下げていた。

三重県には四日市だけでなく松阪にも食肉センターがある。

松阪牛取扱店の看板をもらえると売り場のステータスが上がるが、買い続けないともらえない。

だから、向こうから頭を下げにくる。

ここでの商談は、ぶら下がる牛の枝肉にさっと切れ目を入れて、切り口のサシの具合を見て交渉する。

ペーパーは使わない。

『これはこういうランクで』というと、『もうジャスコさんいいよ、ジャスコさんお帰りください』と私とは間逆なことをされていた。

これは何の力か。

カタカナ4文字。

『ブランド』。

やはりブランドを作らないといけないと気がついた。

他の産地を凌駕する差別化である。

圧倒する力だ。

松阪牛は長年の経験と歴史の積み重ねの成果だ。

そこで、豚にサシを入れられないかと考えた。

しかし、品種改良は途方もない時間と手間がかかる。

そこで発想の転換をした。

当時、豚肉には名前がついていなかったので、産地の名前をつけた。

また、品質の差別化をどうするか。

豚肉の価値を追求して食べ物の価値にまで行くと、外してはならない価値にたどり着いた。

ひとつは『美味しいもの』。

もうひとつは『安心安全なもの』。

このふたつだ。

昔は考えていなかった。

豚を早く太らせて早く売って回収する。

儲かるためにどうすればいいか。

スピードを重視した。

そこには美味しさも安全もなかった。

そこで生協運動に出会った。

美味しい豚を作り、地域の消費者に食べてもらう。

もうひとつ、大手の生産地ではたくさん作っているが我々は零細農家だ。

生活圏の中で買い上げてもらえれば十分。

エリアを限り、地産地消にした。

地域の中で作り地域の中で消費する。

安心安全だ。

生活エリアの中で買ってもらう。

おいしく食べるためにはどうするか。

脂の質を変える。

飽和脂肪酸を増やす。

牧草をやった。

最も危険なのは抗生物質だ。

伊賀豚のほかに鈴鹿高原豚、松阪豚をつくった。

伊賀豚は生協で売った。

地産地消型豚肉をつくった。

そして、ジャスコでかみさんに『おたく、伊賀豚を置いてないの?』と言わせた。

それまでに伊賀豚の宣伝をしておく。

慌てて店は本部に報告すると、ジャスコのほうからお願いしてくるようになった。

ブロイラーはそれまで白いブロイラーだったが、フランスから赤い鶏を持ってきて赤いブロイラーとし、あたかも昔から三重県にあったかのように『伊勢ブロイラー』と称して、おめでたい時に食べる赤い鶏として、赤福とかけて赤鶏ブームとなった。

差別化が大事だ。

付加価値の高い農産物をどう作るかが大事だ。

バブルの時には大手ハムメーカーが手作りハムブームを作り、実は手作りでないのに飛ぶように売れた。

原料1千円が1万円以上で売れている。

付加価値は大事だ。

そのままだと原料費の2、3割上乗せでしか売れないが、加工品にすれば原料費の2、3倍で売れる。

加工メーカーの二次産業は成長していく。

一次産業は衰退している。

なぜモノを持っている一次産業がなぜ悪いのか。

気がついたのは、我々が加工メーカーの下請け産業だと。

下請け産業は絶対成長しない。

なぜなら、下請け産業は価格決定権を持たないからだ。

ジャスコは仕入原価プラス成長する余力を載せて売る。

生産原価に成長するものを載せている。

農業者はたくさんいるが、農業経営者はいない。

生産原価を言えたら農業経営者だが、生産原価に利益を載せて売れるかどうか。

家族を養って新たな投資ができるだけの計算のできる力があるか。

大根1本100円で肥料代などを載せて150円で売ればよいが、今日の販売価格は90円と言われれば成長しない。

そこに気がついた。

そこで、価格決定権を持たないと農家の生き残る道はないと言い出した。

この指止まれ方式で16人が集まった。

ひとり200万円ずつ出して小さなものを作ったのがモクモクだ。

当時は6次産業という言葉もなかったが、良い品質のものを作ればなんとかなるんじゃないかと始めた。

しかし、順風満帆ではなかった。

初年は全く売れなかった。

いいものを作っても知ってもらわなければ売れない。

知ってもらって売れることがブランドということ。

半年で3分の1しか売れなかった。

認知度が少なかった。

資金繰りが回らず倒産目の前だった。

しかし、おばちゃんたちは、社長こんなに美味しいものは売れるはずだが宣伝ができていないという。

しかし宣伝のお金がない。

そこで阿山まで来てもらって工場見学会として食べてもらった。

あるとき、幼稚園からウインナーづくりの体験ができないかと電話が来た。

つくると全員が喜んで拍手した。

メーカーや工場で作ったものでなく自分で作ることでようやくわかった。

『社長、冷蔵庫の中のものを全部ください』となった。

自分で作ると、原料が見える、地域が見える、思いや理念が伝わる。

体験を通じて、大手メーカーは農ではないと感動した。

農業が伸びるためには共感が大事だ。

この直売所の考え方に共感する。

応援団になる。

リピーターになる。

『ここぴあ』を知ってもらう。

理解してもらう。

機能性野菜、健康野菜を作っていれば、そういう考え方か、応援してあげようとなる。

次はリピートするが、そのためには我々が共感を裏切らないことが大事だ。

共感し続ける限りリピートする。

ものを売る時代は終わった。

自分たちの理念、思いを売る時代だ。

安心安全ブランド、地域ブランド、プレミアブランドとあるが、私は愛着ブランドを目指している。

同じ野菜でも『ここぴあ』の野菜に愛着を持ってもらえる野菜にしてほしい。

あくまで地元の人に愛される直売所であってほしい。

モクモクではウインナー教室が有名になったら全国からジャンジャン電話があり、2年先までいっぱいになった。

ウインナー教室は何かといえば、これは『食育』だ。

食材が見え、地域が見え、それを応援する。

地域の豊かさ、農業者の顔が見え、愛着が沸く。

山の中に人が集まってきた。

ウインナー教室も幼稚園からの電話がなければなかったかもしれない。

肉とウインナーでバーベキューをしたらいいという提案もあった。

バーベキューを始めたが野菜がなかった。

農協女性部が野菜を持ち込んだ。

さらにコメが必要と作り始めて農業公園となった。

農業公園は、観光で始めてはダメだ。

観光はブームに流行り廃りがある。

参考にしたのは小岩井牧場。

ストーリーがある。

地元農業の延長線上にある。

おいしさと安心の次のキーワードは健康だ。

そして環境。

そういう農業公園がみなさんから支持される。

おいしい、安心安全、健康、環境。

ブランドはイメージが大事なので空間をしっかりつくる。

女性にとっては空間が大事だ。

モクモクの考え方でわかりにくいのが、協同的精神を再優先しているところだが、助け合いの精神だ。

大きく言えば社会を、小さく言えば地域を考えている。

考えの元は農協と同じだ。

モクモクの売上は農業公園、通販、レストランが3本柱。

米は地元農家80件を組織化し、松尾芭蕉の地元にちなんで五七五米としている。

湖南市ではサスケ米とすればいい。

しいたけや野菜も作っているが、地元農家100件が登録している。

果樹や酪農もしており、ジェラードや、ハム加工、パン作りなどもしている。

和菓子や豆腐、地ビール、宿泊施設などもしているが、県や市からは1円も貰わずにやっている。

トマト専門店、ふれあい牧場、食育体験学習。

モクモクでは食べ放題はしない。

慌てて食べる必要はない。

野菜について学習してもらう。

そうした取り組みはここ湖南市でもできるということを申し上げたい。

》。

70人ほどの市民が熱心に話を聴き、その後質疑応答がありました。

参加者には若い人や女性も多く、リタイア組の顔もありました。

今日の講演を第1回とし、第6回までのうち4回受講すれば修了証が手交されます。

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