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平成29年湖南市議会本会議2日目会派代表質疑質問(日本共産党湖南市議団)市長答弁

 日本共産党湖南市議団を代表した立入議員の質疑質問にお答えいたします。

 まず、平成29年度施政方針についてのご質問ですが、参考までにお配りをいたしました施政方針演説の原稿で1ページの15行目にあります『わが国が日米同盟を基軸として大きな世界的変動を乗り切ることができるかが注目されます』としていることについて、日米安全保障条約についての見解をおたずねいただいております。

 ちょうど昨日の新聞には東シナ海や南シナ海で覇権的行動を展開する共産党中国の国防費が1兆元(16兆5千億円)を突破したと報じられておりました。

人民解放軍では、すでに平成25年1月には総参謀部から全軍に対して、対日戦争の準備をしっかりと行うことと指示されておりますし、平成27年12月31日には大規模な組織機構改革があり、陸・海・空3軍に加え、わが国も射程に入る命中精度の高い通常弾頭搭載の短距離弾道ミサイル、準中距離弾道ミサイルを大量保有する第2砲兵をロケット軍と改称して同列に昇格させました。

そして、平成24年に就航した航空母艦遼寧が昨年12月24日には第1列島線を初めて通過するなど、恒常的に尖閣諸島で領海侵入を繰り返す中国海警局の公船とその背後に控える海上民兵を含め、わが国に対する軍事的圧力が強まってきています。

 また、半島の南では韓国大統領が弾劾により職務停止に追い込まれトップ不在という異常事態の最中にあった2月12日に、核開発を進める北朝鮮が日本海にミサイルを撃ち込むとともに、13日はマレーシアで北朝鮮の故金正日総書記の長男である金正男氏が暗殺されました。

 さらにロシアでは、2月22日のロシア議会公聴会でショイグ国防相が『われわれはクリルの防衛にも積極的に取り組んでおり、同地にも師団を展開する予定で、年内に完了することになっている』と発言しています。

 このようにわが国の周辺環境は大きく変化しておりますが、日米安全保障条約がつくられた経緯は、先の大戦後の連合国との講和によるわが国の独立の回復と密接な関係を持っております。

 とりわけ、国際法で禁じられている保障占領中の憲法改正により日本国憲法が誕生いたしましたが、基本原則である平和主義がアメリカ軍を中心とする占領軍による抑止力でソ連や共産党中国との軍事バランスを保って確保されてきたなか、対日講和でアメリカ軍が撤退することによる極東の軍事的空白をつくらないための知恵として日米安保が生み出されたものであるということは、歴史上の事実として捉えなければなりません。

 いわゆる吉田ドクトリンにより、アメリカの核の傘の下で、わが国が軽武装のまま経済復興に全力を傾注することができ、奇跡的な高度経済成長を遂げることができたことは、日米安保のわが国に与えた影響であったことは明らかであります。

 昭和41年3月18日の衆議院外務委員会で当時の椎名外相は、アメリカ軍の核抑止力について訊かれ、『たまたま不量見の者があって、危害を加えるという場合にはこれを排撃する、こういうための番犬と言ってもいいかもしれません、番犬様ということのほうが』と述べ、有名なアメリカ軍『番犬様』発言をしております。

 しかし、日米同盟があるがゆえに、アメリカが常にわが国を庇護してきたのかと言えば、それはあり得ません。

なぜなら、今もそうですが、アメリカはアメリカの国益のために動いてきたからです。

 例えば、沖縄返還は、実現できなければ当時の自民党の佐藤政権が崩壊し、より反米政権ができることを懸念したアメリカが、基地の自由使用を最低条件として、わが国の核抜き本土並みの主張を表向き呑み込むかたちで成立しましたが、最終的には、よく知られるように緊急事態での核持ち込みの『密約』が結ばれたとされています。

 また、かの有名な日米繊維戦争においては、南部の保守的な共和党支持層のプレッシャーを受けたニクソン大統領に対して『トラスト・ミー』と安請け合いした佐藤総理が、繊維問題を解決せずに放っておいたため、わが国の頭越しでのニクソン・ショックとドル防衛措置というわが国に対するふたつの制裁措置が発動されました。

しかも、このときには、第1次世界大戦、世界大恐慌、第2次世界大戦、郵便ストに続いて史上5回目となる国家非常事態宣言を行い、わが国に対して『対敵通商法』を発動できる準備まで行っていました。

 まさに、経済関係と安全保障を天秤にかけられたような状況は、現在にも通じるものであるといえます。

 その後、わが国も西側の一員として対応してきた米ソの冷戦は、レーガン大統領によりソ連の崩壊というかたちでアメリカの勝利となりました。

 その一方で、軽武装の日独は驚異的な経済発展を実現しましたが、とりわけ、わが国はジャパン・アズ・ナンバーワンとこの世の春を謳歌し、マンハッタンを買い占めるとまで言われた時期がありました。

この時期のアメリカでは、わが国の安保ただ乗り論や応分の防衛負担の増を求める論調が強まるとともに、貿易・投資市場の開放を求める圧力を強め、結果的にバブル崩壊により、第二の敗戦に追い込まれるに至りました。

 湾岸戦争で多額の戦費負担を行ったものの、感謝されなかったトラウマはいまだにわが国外交を呪縛しておりますが、民主党政権が沖縄のアメリカ海兵隊基地を『最低でも県外』の公約と過去の契約とのはざまで混乱した際に、鳩山総理がオバマ大統領に『トラスト・ミー』と言いながら解決できなかったことによる信頼喪失もありました。

 そして、オバマ政権が対中融和を口にしたとたんに、尖閣諸島沖で中国漁船による海上保安庁の巡視船への体当たりや中国海軍フリゲート艦による自衛隊護衛艦に対する火器管制レーダー照射、レアアース対日輸出停止、日本人逮捕など、共産党中国の姿勢が強くなりました。

その後、わが国は共産党中国がメンツをつぶされたと認識する尖閣国有化を実施して、決定的に日中関係に溝をつくってしまいました。

いずれもアメリカが介入してエスカレートを抑えましたが、そこから見えるのは、アメリカの日中戦争巻き込まれ回避論でした。

 今では、人民解放軍の戦力が急速に拡大しており、アメリカ軍に対してはA2/AD戦略と言われる、西太平洋への接近阻止/領域拒否を最優先としています。

第1列島線に対する中長距離ミサイルの飽和攻撃により、アメリカの空母機動部隊を接近させないという作戦を立てているようです。

一方、アメリカも空母の損失を避けるために一時的に空母部隊を第2列島線の東に後退させる戦術をとる可能性もあり、人民解放軍による短期限定作戦となれば、第1列島線とされる琉球列島、八重山諸島の基地を直接攻撃するとともに、アメリカ軍の接近を阻止し、通常戦力だけでなく、弾道ミサイルや衛星破壊兵器、サイバー・電子戦能力、特殊部隊や武装民兵の上陸などあらゆる領域を動員したクロス・ドメイン作戦でアメリカ軍を凌駕することができるところまで来ているとされています。

すなわち、西南方面有事の際には、アメリカ軍が体制を整えるまで、自衛隊独力で支えなければならない事態も予想されるということです。

 また、今朝も北朝鮮が日本海に向けて大陸間弾道ミサイルとみられる飛翔体を発射して秋田沖に着弾したとの情報が入ってまいりました。

これを迎え撃つためにこれまでパトリオットPAC-3が運用されてきましたが、さらに大気圏外で迎撃するためのTHAAD(終末高高度防衛ミサイル)をアメリカ陸軍が開発し、在韓米軍に配備するとしています。

これを支えているのは日本の在日米軍基地ですが、肝心の韓国は大統領不在の政情不安につつまれています。

 一見盤石に見える日米同盟ですが、このように薄氷の上になりたっているということは十分に理解したうえでアメリカと対応する必要があり、このことが共産党中国やロシア、朝鮮半島の複雑な極東情勢にさらに複雑さを増しています。

トランプ政権が当面わが国に対して融和的な姿勢を示しているのは、在日米軍基地がアメリカによる西半球のプレゼンスを支える最大の支援拠点であることを理解したからですが、こうした姿勢もアメリカの国内世論次第ではいつ豹変するかもしれず、そうした意味での『わが国が日米同盟を基軸として大きな世界的変動を乗り切ることができるかが注目されます』という情勢分析をさせていただいたところでございます。

アメリカ追従のみということではなく、様々なファクターを見積もりながら将来を予測していかなければならないのではないかと理解しております。

 次に、『地方財政計画も安定した水準を維持しつつあります』としたことに関連して、消費税率の引き上げの先送りによる地方財政のあり方についてのおたずねです。

消費税につきましては『社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律』に基づき、引き上げ分にかかる地方消費税収については、社会保障施策に要する経費に充てるものとすることが地方税法上明記されているところです。

新年度の地方財政計画では、社会保障と税の一体改革による『社会保障の充実』として、子ども・子育て支援新制度の実施、国民健康保険への財政支援の拡充や『ニッポン一億総活躍プラン』に基づく保育士や介護人材等の処遇改善などの措置を講じることとされています。

しかし、社会保障を充実させる施策においては、消費税増税分を見込んだ水準を達成することが難しくなるなど、地方全体において影響が出てきているように思われます。

本市におきましては、消費税率の引き上げ分の先送りにより、社会保障関連事業にできるだけ影響がでることのないように財源の確保に努めてまいりたいと考えております。

 次に、『例えば、都市計画税の導入や法定普通税の税率見直し、法定外目的税の新設などというような新たな税財源のあり方』についてでございますが、今後の行政需要の多様化に伴います新たなサービス等に対する財源として、本市としてどのような方法で財源を確保していくかが課題でありまして、企業誘致等による歳入の確保や行財政改革による歳出の削減に取り組んでいるところではありますが、財源が不足する場合には、財源確保のため市税の見直しについても取り組む必要があると考えております。

その際には、市税については条例事項でもございますので、議会におきまして、異なる市民意見の表出を受けた議員のみなさんが、それらをすり合わせながら最終的に適切な税財源やサービスの見直しを議論し、合意を進めていっていただければと考えておりますので、よろしくお願いします。

 次に、『これまで兼業農家を中心としてきた本市の第1次産業構造を市民総活躍による攻めの農業に大きく変えて』行くとしたことにつきましては、湖南市の農業を守り、発展させながら、美しい農村景観と農地の持つ多面的機能を維持していくためには、攻めの農業を実践し、農業構造を転換していかなければならないと考えております。

 『シルバー農業塾』や『農福連携』は、すぐさま攻めの農業に直結するわけではありませんが、後継者不足や担い手不足といった課題を抱える農業には、逆にとらえれば多くの可能性と算入できる余地があります。

高齢者や障がい者がそれぞれの可能な範囲での活動や時間で農業にかかわることが、『生きがいづくり』や『健康づくり』となり、そうしたことが介護予防や医療費の縮減、障がい者就労、自立支援につながることが期待できると考えております。

さらには、後継者不足の農業における貴重な担い手となりえることも期待しているところです。

 攻めの農業を実践していくために、園芸野菜品目生産振興の拠点として市民産業交流促進施設ここぴあを開設いたしました。

ここでの販売と合わせて、みらい公園湖南構想内で地産地消レストランの建設を進めてまいります。

また、個別には経営転換に挑戦する既存農業者や新規就農者による園芸野菜品目の作付け拡大に必要な施設、機械の導入支援を行ってまいります。

 次に、『ワークライフバランスや在宅ワークの推進』としていることに関して湖南市職員における具体的な活用についておたずねいただいております。

本市におきましては、昨年、市長をはじめ幹部職員がイクボス宣言を行い、上司が自らの意識を変えることで職場での働き方を変えていこうと取り組んでおり、子育て世帯など仕事上で配慮が必要な部下の把握を行うとともに、徹底した業務見直しや時間管理を通じて時間外勤務の削減を図り、それによって作り出される時間を私生活に有効に使うワークライフバランスの実現を目指しているところです。

 在宅ワークにつきましては、現在のところ取り入れておりません。

基礎自治体は窓口や現場などの対人関係の職務が多く、なじむ場合が少ないことと、個人情報の取り扱いや業績に対する人事評価、公務災害の考え方など整理すべき課題が多いことから、今後の検討課題であると考えております。

 次に、『本市の有する観光資源』に関連してウツクシマツについてのおたずねです。

観光資源としては、JRハイキングにおいて年2回程度コースに組み込まれているほか、11月のみちくさコンパスや2月の酒蔵巡りなどの際に、多くのみなさんに立ち寄っていただき、松の樹形を楽しんでいただいております。

そうしたかたがたの利便性を考え、昨年度にはウツクシマツ駐車場の一角に公衆便所を整備いたしました。

育成・保存の財源といたしましては、ふるさときらめき湖南づくり応援寄付金を繰入充当して活用しております。

 次に、『子育て応援サポートセンター』についてのおたずねですが、人的配置としましては、健康政策課に母子保健コンシェルジュとして新たに保健師を1名配属し、子育て支援課に配属済みの子育て支援コンシェルジュと連携を取りながら、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を、個別に作成する支援計画に基づきながら、きめ細かく実施してまいります。

財源につきましては、国庫と県費のこども子育て支援交付金と国庫の母子保健衛生費国庫負担金を見込んでおります。

 次に、子どもたちの医療費助成施策についてのおたずねですが、これまでからもお答えしておりますとおり、国や県が中心となって取り組むべき施策であると考えております。

 また、甲賀病院の地方独立行政法人化のメリットにつきましては、2月2日、3日と公立甲賀病院議会議員研修として同じ会派の松井議員も一緒に県外視察を行っていただきましたので、十分にご理解いただいていることと存じますが、経営の自由度を広げ、医療の質とサービスを向上させますとともに、経費の見直しや責任体制を明確化することにより、今後の健全経営を図ることができます。

 健全経営があって初めて公立病院としての地域医療に対する責任を、引き続き安定的、継続的かつ効率的に果たしていくことができると考えております。

 なお、独立行政法人化後の市の負担額については、一定期間は現行水準の負担が必要と思われますが、経営改善により減少している病院もあり、期待するところでもあります。

 次に、『高齢社会において地域福祉を進めるために地域まちづくり協議会の存在は心強いものとなります』としたことについて、地域福祉等の事業で具体的にまちづくり協議会に求めるのかのおたずねですが、さりげない支え合いのまちづくりを進め、多様化する市民ニーズに応えるためには、地域の事情をよく知る地域まちづくり協議会などが行政と協働して地域課題を解決していく必要があります。

地域課題の一つが地域福祉であり、高齢化、核家族化のなかで希薄化していく地域社会において、行政だけではサポートしきれない支え合いを担っていただきたいと考えており、議案第33号で第三次湖南市地域福祉計画を上程しておりますので、十分にご審議いただき、ご決定賜りたいと存じます。

 また、新型交付金事業は、行政として地域まちづくり協議会に進めていただきたい事業、あるいは地域課題として挙がっているような事業をメニュー化し、地域まちづくり協議会にご提案するものとしております。

事業メニューの内容は先日の議員全員協議会で担当から資料として提示させていただいたとおりでございます。

 次に、『湖南市地域自然エネルギー地域活性化戦略プラン』の実績と数値目標についてですが、本プランは『エネルギーと経済の循環による地域活性化の推進』、『自律分散型のエネルギー確保』、『地球温暖化防止への貢献』を基本方針としており、5つのプロジェクトについて市民参加や導入などの数値目標を設定しております。

 『小規模分散型市民共同発電所プロジェクト』では、市民や企業の出資や寄付により、昨年度末までに4か所で計約160kWの発電所が開設されました。

そのうち2ヵ所は市の施設に設置されておりますので、非常時の電源確保にもなっております。

さらに、市民共同発電所の売電益を地域商品券で配当しておりますが、これを契機に地域商品券の利用が拡大しております。

 『公共施設率先導入プロジェクト』については、昨年4月に二期目となる湖南市公共施設地球温暖化対策実行計画を策定し、今年度は国の補助事業により、市有街灯のLED化について調査、リース方式によるLED照明導入の検討も行っております。

また、別の国の補助事業を活用して市施設のエネルギー調査も行いましたので、今後はこれら調査結果を受けて、街灯のLED化や施設への省エネルギー設備の導入も検討してまいります。

 『バイオマス燃料製造プロジェクト』については、イモ発電に向けてのサツマイモ空中栽培に1000人を超える市民らが取り組んでおりまして、メタン発酵の実験も始まっております。

 『スマートグリッド街区のモデル的整備プロジェクト』につきましては、昨年度国の補助事業を活用して東西庁舎を中心とした公共施設エリアに太陽光発電やガスコジェネレーション設備などを導入し、施設間でエネルギーを融通して地域で面的に利用する検討を行いました。

また、この検討結果から地域新電力の設立が提案され、昨年5月に市内企業等との共同出資により地域新電力事業を行う『こなんウルトラパワー株式会社』を設立しました。

昨年10月からは市施設等に電力を供給し、電力料金が平均11%削減されております。

 5年以上の長期的な検討を行う『可能性検討プロジェクト』のうち、森林バイオマスの利用拡大に向けた検討については、昨年度分散型エネルギインフラプロジェクト・マスタープラン策定事業を国から受託し、木質バイオマスを用いた発電・熱供給の検討を行いました。

今年度は森林づくりの活用に関する勉強会も開催しております。

 次に、『木造住宅耐震改修に対する補助』の内容につきましては、耐震診断の結果を受けまして、建築物の所有者または使用者に対し工事費用の一部助成を行っているところですが、耐震改修の促進を図る必要もありますことや耐震改修には少なからずリフォームが伴いますことから、平成29年度からの改修助成費用の拡充を目指しまして、国や県の支援対象とならない者も視野に入れてまいれればと考えているところでございます。

 最後に、東庁舎周辺整備についてのおたずねですが、昨年11月29日に開催いたしました外部の検討委員会では、委員長からも「財源手法については、全体のスリム化や民間の力を取り入れること、将来の市民負担が見込まれるので、適切な積算に基づいた最適な手法、財源計画をしっかりとした形で検討を進めていただきたい」

とご意見を賜っているところです。

 このような様々なご意見を基に、財源計画につきましては、基本構想時の財源計画を再度検討し、新たに創設されます国の事業債などが活用できるかも含め、より負担の少ない財源計画となるよう進めてまいりたいと考えております。

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