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外国籍市民政策の現場から2011(3)

【リーマン・ショック】 平成20年秋、世界的な経済危機が生じました。

リーマン・ショックです。

日本人派遣工ですら派遣切りをされていた時期ですから、外国人は片端から解雇されていきました。

2,000人近くを雇っていた派遣会社で、働いていたのは400人ほどになりました。

市役所では、外国人の相談が急増しました。

11月に534件であったものが、翌年2月には1,242件と倍増しました。

このとき、ポルトガル語の通訳を6人雇っていましたが、来客の応対で手一杯で、電話対応まで手が回らなくなり、さらに臨時雇用で通訳を増員しましたが、これが近隣の外国人を呼び寄せることにもなりました。

各市役所の状況を見て回っていた連合滋賀の会長も『湖南市の庁舎を見たら、どこの外国に来たのかと錯覚するようだ』と唸りました。

当時は、定額給付金の支給時期や資格などの不正確な情報が外国人の間を飛び交ったことにより、混乱に拍車をかけていたこともありました。

そのために、自分のまちの市役所では対応してもらえない外国人が、湖南市の市役所を目指してきたのです。

一方、外国人の生活保護相談も増加しました。

日本人の保護相談者とあわせて窓口はごった返しました。

滋賀県知事に手伝いの職員の派遣を依頼しましたが、口ではわかったと言いながら、ついぞ応援はありませんでした。

県職員は窓口に出なくてもよいから、事務屋が後方の書類整理を手伝ってくれるだけで、ケースワーカーは新規相談以外に保護決定者の自立支援に手が回ったはずなのです。

そうすれば、県においても生活保護費の抑制にメリットがあったはずですが、そういう制度的な適切対応は“なんちゃって知事”には理解不能だったのでしょう。

極めて残念なことです。

【外国人を取り巻く状況と対策】 外国人は収入が激減して税金や持ち家のローンが払えなくなり、帰国費用もなく、社宅を追い出されて親戚や友人宅に家族ごと転がり込み、再就職など望むべくもない状況でした。

教育現場では、ブラジル人学校の授業料が払えず公立校への転入が増加、同時に日本語初期指導教室の生徒も急増しました。

保護者が解雇されたりした不安が子どもに影響し、不安定になったり病気になったりしました。

不就学も心配されたところです。

これらの状況は、湖南市社会福祉協議会が滋賀県社協と共同で11月から12月にかけて実施した実態調査や、湖南市が大手派遣会社や人権センターに状況聴取したことで明らかとなりました。

また、当時支給事務処理が進められていた定額給付金の書類を送付する封筒に外国人世帯だけアンケートを封入することも指示し、実態把握に努めました。

こうしたことを背景に、12月17日には外国人集住都市会議から関係省庁に緊急要望が提出されました。

湖南市では、19日に私と教育長が滋賀県庁を訪れ、湖南市長と湖南市教育委員会から滋賀県知事と滋賀県教育委員会に通訳や加配教員の増員など教育行政の振興についての要望を直接行いました。

同じ日に湖南市教育委員会が取りまとめたところ、湖南工業団地を管内に持ち、外国籍児童数が関西一多い水戸小学校では、58人の保護者のうち30人が解雇通知を受け、石部南小学校でも3件、日枝中学校でも6件の解雇通知が確認されていました。

22日には湖南市役所内に『経済不況に伴う雇用・住宅・生活不安に対する検討会議』を設置、年末も押しつまった26日には外国人出張就労相談窓口をハローワークと連携して開設、27日からは年末年始緊急相談窓口を設け、市役所食堂と市営住宅を緊急時に備えて準備しました(東京の派遣村と違い利用者はありませんでした)。

(つづく)

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